「精子提供について知りたい子ども」精子提供という本を読んでみました。

精子提供について知りたい子ども

前回の過去ブログ記事「告知をしたくない親・ご夫婦」精子提供という本を読みました。では、精子提供を受けて子どもを出産したご夫婦さんのほとんどが告知するべきではないという考えを持っていることがわかりました。

では実際に精子提供で生まれた子どもたち当事者は「告知」についてどう思っているのでしょうか。精子提供で生まれた子どもたちへのアンケート調査では「出自を知る権利」は必要か?という問いでは93人のなかで73人が賛成、実に80%が告知について賛成していることになる。精子提供で生まれた子どもたちが遺伝的な父親について知ることができない現状が浮き彫りになった。大阪子どもネットワークでのアンケート調査(2007/08)

出自を知る権利とは?

精子提供・卵子提供などで生まれた子どもが「自分の遺伝的ルーツはどこか」「自分はどのようにして生まれたのか」を知る権利のことを言う。現在に至るまで精子バンクではなく日本の病院で受けた精子提供による出産では、精子提供者については血液型以外なにも知ることができない。

告知された子どもたち

「ただ、父親と血がつながっていないことだけは”ああ、やっぱりな”と思えたんです。何ひとつ似ていないのは感じていましたから。そこだけは腑に落ちたけれど、あとは全部嘘だったのかと。目の前にある現実がすべて崩れ落ちるような気がしたのです。」31歳に告知:女性Tさん

「子どもの頃には親に守られて幸せだった記憶がある。どんな辛いことがあってもそこへ戻れば安心できたのに、すべて嘘の上に成り立っていたことで大切な記憶も空白になってしまう。”私が失くしたもの帰してよ”と思ってしまうのです。」32歳に告知された女性Sさん

「よくも29年間も親に騙されていたよな。全然気づかなかったなんて、あまりにバカだったなと思いました。あきれて笑うしかなかったんです。」29歳に告知された男性Kさん

引用元:「精子提供」歌代幸子著2012-07

すっかり大人になってから告知すると親との信頼関係、不信感、怒りなどの何らかの問題が生じることが多いようです。私たち自身も子どもではなくて大人になると物や事への考えや価値観がしっかりとしてきます。自分はなぜ存在するのか何のために生きているのかというアイデンティティが崩壊するという言葉が精子提供に関する本を読んでいるとたびたび出てきます。こうした問題を解決するのは子どものころからあらかじめ告知しておくという方法があるようです。

アイデンティティとは?

アイデンティティとは20歳代前半に行われる、自己確立・自己固有の生き方や価値観の獲得することを言います。アメリカの精神分析学者E・H・エリクソンにより提唱されました。

「精⼦提供~父親を知らない子どもたち~」歌代幸⼦著:https://www.amazon.co.jp/dp/4104388033/

引用や参考にした図書データ:⽇本産科婦⼈科学会1998-2009報告書・「精⼦提供・歌代幸⼦著2012-07」